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生産管理の
スペシャリストとして働く
技術者たちのプロジェクトストーリー

生産管理職

最新の設備を備えた工場を立ち上げる。 その壮大なプロジェクトにあたった技術者達のストーリー

当社の基幹事業であるリネンサプライを支える工場の立ち上げは、数年をかけて行われる一大プロジェクトだ。
土地の選定からはじまり、プランや設備を考え、工場の建設、試運転、スタッフの確保・教育など、稼働スタートまでさまざまなプロセスを経て完成に至る。ここでは2016年に完成した、千葉佐倉工場の建設プロジェクトを紹介しよう。

生産部 生産管理職 高芝 宗幸

プロジェクト担当者

生産部 生産管理職
高芝 宗幸
2002年入社。生産本部からスタートし、業務企画室、米子工場、営業本部と幅広いフィールドで活躍。現在は関東支店 生産部の部長を務める。仕事をする上で心がけていることは「親しき中にも礼儀あり」。

千葉佐倉工場を関東圏の新拠点に

千葉佐倉工場建設の目的は3つ。1つは関東圏の越谷工場、相模原工場のキャパシティが限界に近づき、機械メンテナンスに支障をきたす日曜稼働を続けていた。働くスタッフの環境はもちろん、生産を分散させる意味で、新たな工場は必要不可欠だった。2つ目はこれまで関東東南部の拠点がなく、配送効率が悪かった。千葉県エリアでの新たな拠点が求められていた。そして3つ目は2020年の東京五輪を見据え、開業が相次ぐホテルのリネンサプライ生産を受け容れること。
これらの目的を解決するために千葉佐倉工場の建設が決まり、プロジェクトはスタートした。

千葉佐倉工場

水・物流・人の条件を満たす土地を確保

大量のリネンを洗濯する工場の土地の選定条件はまず水が挙げられる。水資源の確保が求められ、かつ排水できる河川放流が必須だ。また、高速道路のICに近く、配送に便利な立地であることも目的を達成するためにははずせない。
それらの条件を満たすエリアが、千葉県佐倉市であった。スタッフの雇用面でも好立地だった。都心に近づきすぎても人は都心に流れてしまい、なかなか集まらない。これらを考慮し、すべての条件を満たす佐倉市の5,632坪の土地を取得。2014年、いよいよプロジェクトが本格的に動きはじめた。

千葉佐倉工場

作業環境の改善を最優先にプランニング

乾燥機などが稼働する工場内の温度は高い。それを少しでも改善させるため、外気を強制吸気で取り込み、生産エリアの換気回数を増大させると共に、エアハンドリングユニットで空気の流れを作り風を感じる工場作りを計画した。また、空調の冷房に洗濯用水を用い、排水熱を回収することで高効率なエネルギー循環システムを構築している。エネルギー循環のために、洗濯用水は通常の3倍の保有水量を確保しており、給水トラブル時も3日間は工場稼働可能な設計となっている。同時に、リネンを取り回しやすい作業動線、託児所や社員食堂など、環境整備に努めた結果、当初は3階建ての予定が4階建てに。天井高で予算が大きく変わるため、建築業者とは数十センチのやりとりもあったという。

千葉佐倉工場

すべてが同時進行。稼働日まで作業は続く

新工場の立ち上げではスタッフの確保も重要だ。プロジェクト開始と同時に約100名の募集を開始し、採用したスタッフは越谷工場で教育。これらは関東支店が担当した。
新工場には次々と機械が設置され、テストが繰り返される。初テストは目標値の約1割の結果に。課題を見つけ、改善し、テストを何度も繰り返す。稼働日が迫る中、時には深夜まで作業も。越谷・相模原工場からの生産移行準備、人員配置、マニュアル作成…など、すべてが同時に進む。そして工場稼働日、プロジェクトチームの努力が実り、2016年5月、千葉佐倉工場はついに稼働をはじめた。

千葉佐倉工場

「自分が今実現できることは出し切りました」

「若いスタッフが多く、最初は生産性も低かったですが、1年以上が経った今はスタッフも成長し、生産性は右肩上がりになりました」とプロジェクト担当者は語る。越谷・相模原工場の日曜稼働も停止でき、生産移行も概ね予定通りに。当初の目的以上の役割を実現している。また、省エネ性能や作業環境は全国でも有数。スタッフも働きやすさを実感しているという。
「プロジェクトを通じて、自分がこうしたいと思っていた設備や機能を実現でき、工場稼働日の達成感は言葉にはできないほどでした。今後も新工場の建設や既存工場のリニューアルが予定されています。若い技術者もプロジェクトを経験し、このやりがいを体験して欲しいですね」。

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